ロシア横断の旅 ~ウラジオストク(2)~
2018.3.1.
白い街
この日はあいにくの雪。でも明日には鉄道に乗らなくてはいけないのでウラジオストクの観光地を巡るために朝から出かけます。
気温はー2℃でそんなに寒くなかったのですが、雪はサラサラのパウダー状、片栗粉に近い。主要な通りの歩道の雪は職員(?)の方々がスコップで払って除雪していました。
▲変わった除雪の仕方
スヴェトランスカヤ通りを東に歩いていきます。
ロシアの街中にはキオスクがたくさんあります。箱の内側に商品が隙間なく並べられて、客は小さな窓口から欲しいものを言って取ってもらって購入します。安全だし寒くないし良い労働環境ですね。
▲ここの商品は雑誌かな?
▲中央広場
通り沿いにあったミリタリーショップ。悪天候により客は私だけ。ウラジオストクは日本語に訳すると”東方征服”。軍港の街なので海軍っぽい縞々のTシャツがたくさん。ロシア人はこれにウォッカ入れて飲むんかな......とか考えながらスキットルを購入。
▲マリンスタイル
▲☆マークが目印
ニコライ二世凱旋門まで来ました。展望台まで行く予定だったけど視界が真っ白なのでここで引き返します。海岸沿いをうろうろ。
▲小さめの凱旋門
▲潜水艦C-56博物館
▲歩道の横に線路
▲こんにちは
アドミラーラ・フォーキナー通りを西に歩きます。
▲雪は止まない
▲武器屋?
▲ラーメン屋がある
途中でドゥグァ・グルジナで昼食休憩。世界の歩き方に載っています。メニュー見てもよくわからんので適当に。料理名の横に食材が書かれているのでそれを頼りに注文。
▲壁画がイイ感じ
この国のスープは具沢山、味噌汁とかコーンスープのノリで頼むとおなか一杯になる。レモネードは何とも言えぬ不思議なフレーバー。価格はリーズナブルでした。
▲スープとサラダとレモネード
そして吹雪へ
さらに西に歩いていきます。
▲遊園地はお休み
ウラジオストク要塞博物館を探して歩いたけどなかなか見つからない。Googleマップ見ても入り口までは教えてくれないので公衆トイレの前で雪だるまを作っていたお兄さんに道を尋ねました。水族館の隣の階段を上った先にに小さな看板を出していました。
▲”МУЗЕЙ(博物館)”の文字
▲チケットいえーい
▲どこを狙ってる?日本?
▲雪積もっててよく見えない
▲雑な展示
最初から客は誰もいなかったんだけど、ここらへんから本格的に吹雪き始めてやば寒かったのでホステルに帰ります。
明日鉄道に持ち込む食料を調達しにコンビニに寄ります。ウラジオストクだと日本や韓国の商品が売られているのをよく見ます。
▲輸入品は高い
▲キムチは韓国製じゃないのね
▲ONIGIRI
▲ロシア人はカップ焼きそばに400円出せるのか
シベリアの北朝鮮
世界の歩き方でピョンヤンという北朝鮮料理のレストランがあるのを知った。北朝鮮直営?店員が美人?気になる。こんな経験はロシアか中国じゃないとできない。
ホテルで体を休め、日が暮れたころに出発。ピョンヤンは街の中心から離れているのでバスで向かいます。ウラジオストク駅前のバス停にGO。あらかじめ調べていたバスの番号と同じものに乗車。完璧。やあお姉さん、このバスはカザンスキー・フラムに行くかい?え?行かない?
どうやら反対方向のバスに乗ってしまったらしい。日本とは車線が逆なのをすっかり忘れていた。うっかりさんめ。お姉さんにお礼を言って次のバス停で降りる。運賃は一律23p。お姉さん可愛かったな。ロシアは外を歩いてるだけで芸能人ばりの美人さんとすれ違う。
次はちゃんと右車線のバス停で待ちます。時刻表の読み方がわからないけど来るまで待てばいい。
▲始発と最終しかわからなかった
少し待って60番のバスに乗った。すかさず近くにいた女性に行き先が合っているか聞いてみる。今度は合ってました。よかった。
私が降りる場所の近くになったら女性が肩をたたいて教えてくれました。皆さん優しいですね!こうしてたどり着くことができました。ピョンヤンはКазанский Храм乗降所のすぐ前にあります。
周りは建物も少ない中、兵士の石像があってネオンが光っており、ちょっとビビッて足踏みしてしまったけど来たからには入るぞ。
▲あやしい雰囲気
中に入るとそこは桃源郷......の壁画と小鳥のさえずりBGM。チマチョゴリを着たすっごく美人のお姉さんに案内されて席に座ります。メニューは朝鮮語・英語・ロシア語・日本語表記で親切。牛焼肉とキムチチャーハン、コーラを頼んで、店内を観察します。お姉さんが2人、先ほどの美人のお姉さんが若くて可愛いお姉さんに仕事を教えているようだった。近くには朝鮮語を話す4人のおじさん達。このうちの1人がすごく偉そうにしてたからきっと偉いのだろう。この人が何か言うたびにお姉さんたちがウフフと笑う。北朝鮮には喜び組っていう美人お姉さん集団がいるのを思い出した。お姉さんたちが歌謡曲をアコースティックギターで弾き語りし始めた。うーんいい声、うっとりします。でも朝鮮おじさんが大きな声で合いの手を入れるのが下品で嫌だった。
料理は普通においしかった。普通に普通。キムチチャーハンも大して辛くなく、ちょうどいい。ただ量が多かったのでパックに入れてもらって持ち帰りました。
お姉さんの写真撮りたかったけど勝手に撮ったら怖い人に連れ去られて存在ごと消されるんじゃないかとかビビりっぱなしだったので店内の写真はあまり撮ってません。会計の時に勇気を出して記念撮影を頼んでみたけどやはり断られてしまいましたがチップはしっかり受け取られました。ロシアにチップの文化は無いのか、チップを渡そうとして受け取ってもらえたのは後にも先にもこの時だけ。近くて遠い国、北朝鮮の謎は深まる。
▲日本の定食屋みたいな味
優しさに言語の壁はない!
この後再びバスで帰るべくバス停に行きました。もう結構夜遅いけどバスあるかな?と思い、バスを待っているおばさんに聞いてみます。おばさんも駅行きのバスを待っているそうなので一緒に待つことにしました。なかなか来ない。夜だし仕方ないのかな、と思い、1人じゃないので根気よく待ちます。夜はさすがに寒く、足の感覚が無くなっていくのでバス停の周りをぐるぐる歩き回り続ける。タクシーが停まって乗れと言われたりもしたが節約したいので断ります。おばさんが追っ払ってくれました。
あ!来た!おばさんがバスに手を振りますがなんとバスは私たちを無視!なるほど、早く仕事を終えて帰りたいというわけか。日本ならありえないがここはロシア、驚きません。おばさんはすごく怒りだしてすぐに通りがかった車をヒッチハイクしました。「あんたも乗りなさい!」的な感じだったのでお言葉に甘えて。本当は女1人旅でヒッチハイクなんて絶対避けるべきですが、この1時間で苦労を共にしたおばさんを信用して乗っちゃいます。この先バスが来るかどうかも分からず1人で残されても困るので。
乗せてくれたのは若い男性3人組、普通車の車内はぎゅうぎゅうでしたが暖かくて、彼らが何を言っているかは分からなかったけど優しさを感じられました。簡単なロシア語を会話帳を見ながらどうにか話すことはできても、話しかけられたことは何1つ分からないので黙って外を眺めていました。車が走っている間、おばさんはずっとマシンガントーク。おそらくバスへのヘイトを放出していたのでしょう。
駅にはすぐに着き、「はやく降りて!」と急かされるのでお礼はろくに言えずじまいでした。おばさんと別れを告げ、ホステルに帰ります。昨日に引き続き、この日もどっと疲れたけどなんだかちょっといい経験をしたなと思いました。